座右の銘は「其の抱怨より、改変に如かず」で、意味は「文句を言うより、動いた方がいい」だと思っています。高校時代の知人に医者になると良いと言われたことを真に受けて、東邦大学の門を叩きました。初期研修から湘南藤沢徳洲会病院に所属して研修をさせていただきました。将来は医学生時代に一番興味を惹かれた緩和医療を主軸として、病棟医もしくは家庭医としてのキャリアを考えています。

専門科を選択する上で大切にしたのは、できるだけ「近い存在でありたい」という思いでした。普段の受診の時に日常の健康上の困りごとを相談して、診療科が違うから他の科を受診するよう促すのではなく、簡単な健康相談であれば相談に乗れるようになりたいし、相談されるような存在でありたいと思いました。限られた外来の時間内で話せる内容は少しですが、その少しのことで日々の健康に貢献できれば良いと感じます。全国津々浦々の病院で、その土地に住む方々の雰囲気を感じながら、多くの時間を患者さんと向き合って研鑽を積めるのは徳洲会グループの強みだと考え、研修先に選びました。

今後どのように変わるか分かりませんが、私が研修させてもらった湘南藤沢徳洲会病院では、日本専門医機構のプログラムの中で、自由に研修先と研修時期を選ばせてもらえました。初期研修から同じ病院だったこともあり、多くの研修病院で研鑽を積みました。特に印象深いのは同一の地域研修先で合計1年近く外来診療に出させてもらった際に、自分を指名して受診してくれる患者さんがいてくれたり、今まで拒んでいた検査を受けてくれたりと、少しずつ信頼してくれる人が増えてきたことです。専攻医ながらとてもやりがいを感じました。研修期間の終了時に「また帰ってきて、また診てほしい」と言われて嬉しかった反面、患者さん達の今後の診療ができないことに罪悪感も感じました。

所属病院では私が初めての総合診療科専攻医で、総合診療科特有の悩み事などを相談できる人が院内にいませんでした。それでも無事に研修が修了できるのは湘南鎌倉総合病院の熊谷先生のおかげです。Web会議や実際に面談に来てもらって相談に乗ってもらうことで、健全に研修することができました。研修をしていく上で、経験者の助言は必要ですので、カリキュラムを選ぶ上でも重要な点だと思います。